『人生の扉をひらく鍵』
中山 祐次郎 著 あさま社
https://x.gd/BamGi
人生には、さまざまなステージがあります。
超えられそうにない壁に当たるとき、
ぐんぐん伸びを感じるとき、
どうしようもない事情で伏していなければならないとき、
大切な人を失って苦しむとき。
誰もがみな、こんな階段を経て大人になっていきます。
一つのステージを終えて次のところに行く、その間には必ず扉のようなものがあります。
これを、私は「人生の扉」と呼んでいます。
(※『医者の父が息子に綴る 人生の扉をひらく鍵』より)

先日、この『人生の扉をひらく鍵』を手に取りました。
著者・中山祐次郎氏は、話題作『泣くな研修医』やドラマ化作品『俺たちは神じゃない』などで知られる外科医・作家です。
二人の息子へ向けた“父からの手紙”(遺書)という形式で、人生の本質が静かに語られています。
一見すると親から子供への手紙のようですが、
読み進めるほどに「ビジネスパーソン」へ向けたメッセージとしても深く響きます。
ビジネスパーソンとして、一人の人間として心に残る言葉が多くありました。
さっそく、本文の中から印象に残った部分を紹介します。
「選択」とは、選んだ方を正解に捻じ曲げること
選択とは、単に何かを選び取ることではなく、
選んだ道を正解に変えるために現実を無理にでも捻じ曲げる「覚悟と努力」のことだよ。
この世界は、Aを取ろうがBを取ろうが世界なんてこれっぽちも変わらない。
誰の影響も受けないのだ。
君の人生でも実はそう大きくは変わらない。
それは君だけでなく、どんな有名な人であっても同じことだ。
自分の頭で考えて考えて考え抜き、苦しんだ決断を、
あとから「あれ正解だった」とひとりごちるために地味な努力をし続ける。
こうして君の人生の扉は開いていくのだ。
と語られています。
著者は、常識を疑い、自分の頭で考えること。
そして最終的には、自分で決めることの大切さを語っています。
新しい環境に進むとき、不安はつきものです。
ですが、「自分で選んだ」からこそ、
その選択を正解にしていく努力を重ねる。
結果よりも、そこに至るプロセスに誇りを持つ。
この姿勢が、次のステージを切り開いていくのだと思います。
運が味方する生き方
― 幸せの総量が増える思考 ―
運がいい人は、運がよくなる思考をしているのだ。
つまり、考え方だけで決まっているのである。
同じことが起きても、「運が良かった」と思う人がいれば、「不運だった」と感じる人もいる。
よく言うたとえに、こんなものがある。
Q:あなたは喉が渇いています。そこにコップがあり、水が半分入っています。どう感じますか?
A:半分しかない
B:まだ半分ある
Bのように、いつも感じられる人は幸せだ。
「ラッキー、水があるじゃん」と思うだろう。
僕はそういう思考をするように心がけている。
と書かれてあります。
ポジティブな思考を意識し、
物事をネガティブに捉えすぎず、見方を変えることで、
未来に対して前向きに考えられる機会を増やし、幸せの総量を上げていきたいですね。
あした死ぬならどう生きる
― 人生には限りがあり、それが人間である ―
立派になるかならないか、
高い技術を持つか持たないかは自分しだい、
とよく言われる。
だがそんなことはない。
いかに厳しい環境に身を置くか。
いかにアウェーな場所で奮闘するか。
これが成長の鍵になる。
京都大学時代の師である福原俊一先生は「他流試合をせよ」といつも言っていた。
なるほど、
いつも自分の居心地の良いところにいると成長はないよ、
という意味だろう。
と述べられています。
がん専門医でもある著者は、
これまで多くの「最期の瞬間」に立ち会ってきました。
だからこそ、限られた人生をどう生きるかという問いに、
説得力があります。
日本人の平均寿命は男性81歳、女性87歳。
しかし、私たちは自分の「持ち時間」を知りません。
だからこそ、いまこの瞬間に何を選び、どう生きるのか。
「いつ終わるかわからない今を、精一杯生きる」
その覚悟が、次の扉を開くのだと感じました。
最後に
キャリアも人生も、すべては「選択」の連続です。
そして、その選択を“正解にしていく”のは、自分自身の努力と姿勢。
この本は、そんな当たり前だけれども見落としがちな真理を、
あたたかく、そして鋭く教えてくれる一冊でした。
ぜひ、手に取ってみてください。
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